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教育支援のSR活動

 私は2013年12月22日にコロンボのスリダルマラジャダンマ校で行われた授賞式に参加できたことを光栄に思います。

 小学生から高校生までの約300人の子どもたちの元気で輝いた瞳を見ることができました。このような貴重な時間を過ごすことができましたことにとても感謝しています。

 

 富と所得の創出

 私は30代の時から世界の多くの国でボランティア活動をしてきました。初めは「困っている人たちが求めるものを与えること」が必要であると考えていました。しかし今は「困っている人たちの自立を支援して持続可能な社会を形成すること」が大切であると知っています。

 ある中国の小学校で教材が不足していることを知りました。その学校は山村にあって、草原が広がっていました。私はその学校に30頭の羊を送りました。

 私の考えは、子どもたちが学校の行き帰りや休みの日に草を刈り、羊を繁殖させ、羊毛を売ったお金で教材を買うというものでした。

 その支援は成功しました。子どもたちは羊の世話をして、その羊を増やしました。今では、彼 らは毎年羊毛を売って教材を手に入れます。うれしいことに、その学校からはずっと感謝され続けています。

 羊によって「富と所得の創出」が実現し、彼らは自立することができました。彼らに必要なことは物質支援ではなく、自立支援です。このことは他の国でも成り立ちます。

 

 

 技能実習生の受け入れ

 私は国際交流事業協同組合(IRO)の理事長です。私たちは日本で開発されて発展した技能、技術、知識を世界の国に輸出しています。その目的は、人材を育成し、その国の経済を発展させることです。主な輸出先はアジアの発展途上国です。特に、中国とベトナムから多くの技能実習生を受け入れていました。

 スリランカは2004年12月26日、スマトラ沖地震による津波で大きな被害を受けました。その時、私は専門家たちと被災地を訪れました。そして、スリランカの首相と面会しました。

それを機会にスリランカ青年を実習生として受け入れるようになりました。以来、200名以上のスリランカ人の若者を実習生として日本に受け入れました。彼らは建設、セメント、溶接、プラスチック加工、機械加工、農業などの技能を習得しました。彼らは帰国の後、スリランカの産業の各分野で活躍しています。

 実習生の受け入れは「技術へのアクセス権の提供」「雇用の創出」に役立っています。

 

 観光立国

 スリランカでは長年続いた内戦が終結しました。治安は改善され、今では人口17億人を有する南アジアのゲートウェイとして注目されています。経済は成長し続け、それにともなって外国からの観光客も増えています。

 スリランカには6つの文化遺産と2つの自然遺産を含む8つの世界遺産があります。世界遺産を見るために訪れる人たちもいます。さまざまな体験を通して楽しむ人たちもいます。美容と健康のためにアーユルヴェーダが体験できます。ヌワラエリアでは茶摘みが体験できます。ハバラナでは象乗りが体験できます。仏歯寺では礼拝(プージャ)の見学や掃除のボランティア体験ができます。紅茶、宝石、スパイス、ろうけつ染めなど、人気のお土産もたくさんあります。

 私たちは〈スリランカへようこそ〉キャンペーンを応援します。私たちは日本からの観光客にスリランカの遺産や〈おもてなし〉の心をお伝えします。これは私たちの「社会的投資」の1つです。

 

 ISO26000

 国際標準化機構(ISO)は2010年11月、社会的責任に関する国際規格であるISO26000を発行しました。それはあらゆる組織がそのSR活動を行う時に従う規格であり、その目的は持続可能な社会を構築することです。

 SRは当初、企業の社会的責任(CSR)とよばれました。その後、企業以外の組織にも対象が広がり、社会的責任(SR)とよばれるようになりました。2012年3月には、日本語版であるJISZ26000「社会的責任に関する手引」が制定されました。

私たちの活動はISO26000の中核主題である「組織統治」「富及び所得の創出」「教育及び文化」「雇用創出及び技能開発」「技術の開発及び技術へのアクセス」「社会的投資」などに準拠して行われます。

 

 トレードマークの使用と教育支援

 子ども能力開発財団はダハム・セワネ・スィンギットが運営しています。私たちが関わる教育支援活動はISO26000の示した組織統治に準拠します。

 今、世界中からスリランカの子どもたちが学ぶための資金や物資が届いています。支援者からの信頼を得ることが大切です。そのためには、財産を公平に分配し、その流れを透明化すること、支援物資の管理をスリランカ政府が主導することが望ましいでしょう。

 私たちのSR活動に賛同する企業や団体は、その商品に私たちの財団のトレードマークを付けてください。売り上げの一部がスリランカの子どもたちの教育支援活動に使われます。その資金は、各界の代表によって構成される資金管理委員会が管理します。その理事会は毎年決算書を作成して委員会の承認を受けます。スリランカの子どもたちが使う教材や備品を購入するために、みなさんのご協力をお待ちします。

須賀博士

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